転職を繰り返してきた過去は無駄じゃない
日々思う転職することへの悩み
今の仕事で覚えた技術は転職をすると無駄になるんじゃないか?
せっかく取った資格なのにほかの業種だと使わないからもったいない
9年も勤めたのに今辞めたら職歴に傷がつくんじゃないの?
なんて思いながら今ある仕事をしながらずっと悩んでいました。
でも最後は転職を選んだ。
あるスーパーマーケット鮮魚部門担当の一日の流れ
時は20年前
この時私はスーパーマーケットの鮮魚担当。
3:00~7:00
朝は7時から出社。
時には市場に行って商品の仕分けや積み込みも手伝っていたので朝3時から働くときが週に2回あった。
バックヤードに到着し、まな板に向かうと
ひたすら魚を切る
ひたすらパックする
ひたすら値段シールをを貼り付ける
店内へ品出し
店内の鮮魚売り場のオープンケースが埋まるまでこの作業を繰り返す。
売り場が埋まったらマッキーを手に取り、ひたすらポップを書く、マイク放送する。
(ポップを書くのはあらかた前日に用意しますが当日に急遽仕入れることになったものや突然販売すくことになった商品のです)
10:00~
お店がオープンしてすぐに発注の時間が来る!天気を調べ売り上げ予想を立てる!明日の売り場展開を考えながら注文する!
そしてトラックが到着、グロッサリー商品が届きひたすら荷下ろし。
グロッサリーとは調味料や缶詰などの保存性の高い食料品や日用品のことです。
生鮮食料品以外のほとんどのものです。
12:00~
昼休みは食事の時間だけですぐに売り場の追加と夕方の仕込みからのグロッサリー品出し。
15:00~
夕方前に売り場を夕方仕様に変え、マイク放送及び対面販売し
16:00~
夜前に値引きやタイムサービスで売り込み、グロッサリーの前出しとレジの応援。
19:00~21:00
いつの間にか閉店の時間で店頭の片づけと店内の片づけでいつの間にか夜の9時。
家に着くのは22時頃。
最大で17時間労働ですね。
一番少ないときで13時間労働。
就寝中は、たまに売り場の商品が間に合わない!売り上げが足りない!魚が腐る!と夢を見て汗だくになり目が覚める。
【現実逃避】作業しているときは悩まない、むしろ快楽
がむしゃらに働いているとき、がむしゃらに作業をしているときは
恐ろしいことに悩んでいることはすっかり忘れるんですよね。
仕事が忙しいので作業中は仕事の事しか集中しているのでそれ以外の時間に考えている悩んでいることは忘れていられるのです。
悩む現実から解放され仕事をしている最中はその悩みが解放されます。
↑これが一番怖い
何故心地よく感じるのでしょうか?
不思議と仕事が楽しくなるのです。
そしてまだ楽しいから退職はしなくてもいいか・・・って思考に変わっているのです。
本当に恐ろしい。
こんな毎日を過ごし、いつの間にか1年、そして1年と時間が過ぎてしまうのです。
月に142時間残業!? 4時間分しかつかない残業代
毎月頂く給料明細。
ワクワクしながら開いてみると100時間は残業してあるであろう残業代は1カ月間総合で4時間分・・・
17時間労働→9時間残業(月8日)
13時間労働→5時間残業(月に22日出社-早朝出社8回=通常出社14日)
↑これを踏まえると
9時間残業日が8日で72時間
5時間残業日が14日間で70時間
合わせると142時間です。
なんと138時間分の残業が毎月消えているのです。
(ってか月に22日出社だと8時間労働で176時間。ほぼ倍の時間働いているやん。なんでこの時、気が付かなかったんだろう)
20歳、残業たくさんしているのに月の手取りが20万を切っている。
この明細を見るたびにこれでいいのか?これでいいのか?
と心配になり夜眠れなくなり、憂鬱なまま仕事に出社するのである。
そして上の魔のループに戻ることにより仕事を辞めたいとの気持ちがいつの間にか無くなっている。
毎日がつらくて仕事を辞めたい→毎日の忙しさでやめたい気持ちも忘れる(充実感?)
→毎日がつらくて仕事を辞めたい→毎日の忙しさでやめたい気持ちも忘れる(充実感?)
これの繰り返し↑↑↑
ダメです。非常にまずいループです。
私はこんな状況に陥っていました。
これじゃいつの間にか心や体も疲弊していて病んでいくだけです。
はやく行動しなくちゃならなかった。
気づいた時には何の気力も失っていました。
自分では転職を考えられなくなっていたが、友人が助けてくれた
自分の判断では行動できなくなっていた私は友人の後押しで私は転職することが出来ました。
朝早くから夜遅くまで働いて衰弱していく私の様子を見ていた友人は、行動できなくなっていた私がこのまま同じところで働き続けていくとどうなるかわかりやすく説明し、うまく転職の方向へ誘導してくれました。
転職した現在
気が付かないうちに溜まっていたストレスと疲労。
転職後はこれまで抱えていたストレスから解放され夜も眠れるようになりました。
翌日の売り場を考えなくてもいい
売り上げが足りない!とうなされることもない
攻めるために大量に発注した魚を何とかしなきゃ!って頭を抱えることもない
雨が降ってきた!この在庫どうしよう?!と慌てることもない
いろいろ悩みがあったけど夢にまで出てくる責任から解放され気持ちが楽になりました。
転職することが自分の履歴に傷がつく、転職はとてもいけない行動だとずっと思っていましたが、身体を壊してしまったら元も子もないです。
鬱になってからじゃ遅いのです。
もって帰った魚をさばく技術
せっかく覚えた魚をさばく技術。
次の職場に活かすことは出来なかったけど、スーパーに魚を買いに行って自分で下ろしたりすることが増えました。
また妻の父が海で釣ってくる魚をさばいたりすることもあります。
魚を下ろしている楽しくて、自分は魚が下せるんだぞ!と、なんだか優越感に浸れます(笑)
今では魚を扱うことが仕事では無くて趣味の一環として成り立っています。
魚をさばく技術を持っていると、今の仕事が無くなったらまたいつでもスーパーに戻れるぞとの安心感があります。
自分のひとつの趣味となり手に職をつけたので、決して無駄にはならなかったのかなと思います。
まとめ
転職した先に活かせる技術ではなかったけど、自分が生活していく上での自信とまたこの職に戻っても大丈夫という安心感、そして妻にもドヤ顔出来て優越感に浸れる趣味として自分の一部となりました。
決して無駄ではなかったと思います。
スーパー業界は従業員の大半が下っ端なので出世が出来るのはほんのごく一部。
将来にも不安があったのも自分のメンタルが壊れる一つの原因だったのかもしれません。
今にして思えばあの時に転職出来てよかったなと思います。
あのまま仕事を続けていたらどうにかなっていたかもしれない・・・